- エアバス A380について
- 羽田には就航できない?
- ANA「FLYING HONU」
- シンガポール航空 成田 A380が復活
- 2019年 成田空港へのA380乗り入れ航空会社
- A380-800 まとめ
エアバス A380について
今年5月24日~に国内の航空会社で初となるエアバス"A380-800" ANAがホノルル線で初就航させる「FLYING HONU」でマイラー界でも話題はもちきりですが じつはデビューからは随分月日が経っています。
数年にも及ぶテスト飛行の後、2007年10月15日シンガポール航空にA380機体の1号機がデビュー以後、初納入され すでに12年も経過しています。
開発当時エアバス社は 当時大型機の象徴として君臨していましたボーイング747の座を奪うべく技術の粋を集めたエンジニアリングの限界を極め 鳴り物入りで誕生しました。
しかしデビューから12年の経過で航空業界の状況は大きく変わり 離発着空港問題をはじめ コスト重視の市場と燃料価格の変動のなか、A380を際立たせた素晴らしい特長は、不運な方向にも働いて 今現在「A380」は 行き残りをかけて窮地に立たされている状況にあります。
国内でも、20~30年前の好景気(バブル)に沸いた時代に誕生していたのであれば 現在とは大きく状況も変わっていたのではないでしょうか。
それを象徴するかの様に、コスト面 経営面から保有機数を見てみますと、エアバス社の現時点でのA380受注331機のうち、じつに約半数にも迫る162機はエミレーツ航空によるもので ドバイを本拠地とするアラブ首長国連邦によるもので、ファーストクラスにシャワールームが完備されています。
また 同じくアラブのエティハド航空もリビングルームとバスルーム、ベッドルームを完備する最上級クラス「レジデンス」を設定する等 が有名ですね。
中東には個人所有のA380も存在しますし まさにお金持ちの次元が違いますね。
航空会社 | 運航開始年 | 確定発注 | 引き渡し | エンジン |
---|---|---|---|---|
2014 | 6 | 6 | トレント900 | |
2009 | 10 | 10 | GP7200 | |
2008 | 162 | 105 | GP7200(90) トレント900(52) |
|
2014 | 10 | 10 | GP7200 | |
2014 | 10 | 10 | GP7200 | |
2008 | 20 | 12 | トレント900 | |
2007 | 24 | 24 | トレント900 | |
2011 | 10 | 10 | GP7200 | |
2012 | 6 | 6 | トレント900 | |
2011 | 5 | 5 | トレント900 | |
2013 | 12 | 12 | トレント900 | |
2012 | 6 | 6 | トレント900 | |
2010 | 14 | 14 | トレント900 | |
エア・アコード | 3 | 未定 | ||
アメデオ(ドリック・リース) | 20 | 未定 | ||
不明な顧客 | 10 | 未定 | ||
2019(予定) | 3 | 0 | トレント900 | |
合計 | 331 | 230 |
(2019.1現在 Wikipedia転載)
それら中東を除く一般の航空会社ではシンガポール航空の24機が最高ですので コスト面で景気の下支えが いかに必要だということがよくわかります。
このように時代と逆行している様にも思える 今後のA380ですが 胴体短縮型をはじめ メインデッキの一部を貨物室としたコンビ型 近距離低コストモデルで 少しずつ改良モデルにて活路を見出していくのではないかと思います。
ANAのA380導入による戦略
カンタス航空のCEOアラン・ジョイス(Alan Joyce)氏は「A380を1機飛ばすよりもドリームライナーを2機飛ばす方が低コストになる」と語っています。
では 何故 ANA は 何も知らない一般人に「最新鋭」や「夢の旅客機」を連想させる誇大キャッチフレーズやCMイメージを使ってまで 時代と逆行するA380を購入するに至ったか。
一言で端折りますと、スカイマークの破綻が大きく関係します。発着枠またデルタ航空支援の再生計画案とANAホールディングス支援の再生計画案が争われ スカイマーク発注分のA380をANAが導入することが ANA案可決の大きな材料になったと言われています。
ですのでANAが発信する「"ホノルル”リゾート路線でJALに対抗!"レジャー需要の取り込み"」としていますが、これらの就航理由は「後付け」感が否めません。
もしそのような理由であればJALを引き離しにかかる為、発表から10年以上ANAが指をくわえて見てる訳がないと思います。とうに打って出ていると思います。
ですので「ANAにとってA380の運航とは戦略的妥協案」であると考えられます。
しかしながら、ハワイは大変需要が安定した地でありますので 理由はどうであれ 新たな顧客の取り込みや 今までJALに大きく遅れ許していたハワイ路線のシェアは確実に拡大すると思われますし その他の就航地域と比べましても わずか7~8時間の近距離からするとホノルル線はリゾートや特別感も相成りデビュー以後 しばらくはドル箱路線になる事は間違い無いでしょう。我々マイラーにとっても激戦必須の特典航空券も発券しやすくなる可能性があります。
ANA「FLYING HONU」はスカイマーク発注分とは別
この様な経緯もありANAのA380-800はスカイマーク発注分(3機 / 6機発注分)が宛がわれたイメージですが、実際はまったく違います。
スカイマーク発注機はエミレーツ航空に納入され、今回のANA A380とは異なります。つまり「ANA FLYING HONU」3機は 新たにつくられた新造機となります。
羽田には就航できない?
現時点では、制約が多すぎて限りなく不可能に近いと言われています。
滑走路問題
羽田の場合は滑走路により運用制限がある点が、A380の就航を難しくしている。沖合にあるD滑走路は構造上、最大400トンまでという総重量制限がありますがA380で乗客が満席ともなると500トン越えますのでほぼ不可能です。
成田が使えない時に羽田にダイバートした時の予備スポットとして夜間にC滑走路を利用して離発着する事も理論上は可能だが 1日8便以内に制限されている。しかしC滑走路を使う昼間の便であれば、現在の運用条件内でのA380就航も不可能ではない。
後方乱気流問題
通常の大型機の場合は後続機との間隔を”約5.6キロ以上”取るよう定められていますがA380は2倍の11キロ以上がとなっている。これでは離発着回数が過密な羽田空港では 大きくダイヤを乱す恐れがあり問題は深刻。
運行時間問題
騒音対策の関係もあり 現時点では午前2時から同4時までしか追加離発着枠がない。仮にこの時間帯に海外からの渡航客を受け入れたとしても 深夜や早朝で空港から電車やバスなどの交通移動方法や宿泊施設等の問題も山積状態。
スポット (駐機場) 問題
現在対応可能なのは107番スポットのみでA380の全幅は79.8メートルと、航空各社が長距離国際線の主力としているボーイング777-300ER型機と比べて15メートル長く、誘導路が限られるなど、さまざまな制約があり、事実上就航できない状態が現状。
政府が掲げる年間訪日客の4000万人の目標
政府は2020年までに、年間訪日客数4000万人を達成する目標を掲げているが 現在の受け入れ態勢では目標に500万人届かない!と言われています。
訪日客の上積みについて目標到達には、羽田のA380解禁のほか、二次交通の充実もカギを握り、幾多の障害を乗り越え 羽田で超大型機のA380で525名~853名の旅客を取り込む事が出来るのであれば 年間訪日客数4000万人を達成する近道であると思う。簡単ではないでしょうが不可能では無いと思います。
ANA「FLYING HONU」
とは言え、新しもの好きマイラーとしましては まず率直に乗ってみたい ♪
噂のファーストクラスも気になります。ハナサクは身分不相応です。
しかし、こんな太っ腹な「特典航空券 大放出キャンペーン」なんてされると、参戦せずにはいられなくなってしまいますよね。
※ただし「空席がある限り・・・」はエコニミー・プレミアムエコノミーに限ります。
就航開始5月のビジネスクラスの予約状況は?
1月10日の「ファーストクラス」受付開始、「プレエコ・エコニミー特典予約大解放」前の前日 1月9日時点でDIAデスクに事前調べしてみますと~
就航初便の5月24日、ビジネスクラスでの空席待ち人数・・・なんと109人待ちと言われ 早々に真意喪失。さらにこの初便の解放枠はツアーの関係で極端に絞られる恐れありとの事ですので偶然 予約していた方は大勝利。5月の残り26・28・31日も、すべて10組以上の空席待ちがいらっしゃるらしく...皆さま...スゴイなぁ~。。。
結論から申しますと、運行日程が決まったのち しばらく経った昨年末に一応空席待ちを入れていましたので 取りあえず予約を確保する事はできたのですが…ファーストクラスではありません。どうしても たかが6~7時間(5月)で12万マイルが…もったいなく感じちゃいました。使うならヨーロッパや北米路線かな~。ハナサクはやはり ANA SKYコイン派の様です。
ANAサイドの「ここで皆、手持ちのマイルを使いまくれ~!散財しろ~!」って声が聞こえてくる気がして😌 まぁ、庶民の負け惜しみ戯言です。ハイ
今から「FLYING HONU」ビジネスクラスを狙う裏技
今からビジネスクラスを狙うかたは、ビジネスクラスで「空席待ち」の予約を受け付け出来る日程をまず選び仮予約、そこからデスクに問い合わせ ダウングレードでプレミアムエコノミーをおさえて確定する。…といった方法もあります。
メリット
- 出発の寸前、空席予約預かりの解放まで待たなくとも「ハワイ行き」は確定
- 予約はビジネスクラスなので 空席が出来次第 ビジネスクラスに振替可能。
- お祭り予約したマイラー達は 寸前での予約変動が かなりの数 予想される。
デメリット
- 空席確認は自分で毎日こまめに確認する必要がある。ANAからの連絡は無し
- 空席を見つける事ができたら,即 変更手続きの必要あり
- もし最後までビジネスクラスに空きがでなくても プレエコとの差額マイルは返還されない
探せば、日程次第で まだ狙える便があるかと思います。
その位 寸前では予約に変動があります。仮に今現在から「翌週」や「翌々週」で特典航空券予約の寸前検索をしてみてください。特に海外特典予約の場合は 大半の方は寸前で仕事の調整等 大変困難になりますので ココが盲点なのです。日曜~火曜発 辺りも週末を挟まないので空席がよく出てきます。
特典予約のメリットは日程変更が可能なのも醍醐味ですので。
2019.1月10日 15時~ 特典予約 大放出決戦 当日
おさえた予約は一応あるのですが ”お祭り” も気になりますので 予約可能クラスをいろいろ物色検索してみます。
夏真っ盛り!エコノミー・・・余裕で6~8人分まとめて取れます!
プレミアムエコノミー、こちらも6人まとめて予約可能でした。
意外だったのが…ファーストクラス。何通りも日程を変えて挑戦してみましたが、15時~の受付開始直後は…ほぼ獲り放題でした。
何百万マイルもお持ちの達人が…心底 うらやましかったです。
シンガポール航空 成田 A380が復活
シンガポール航空は、エアバスA380型機を4月から成田へ再就航させるそうです。1日2往復のシンガポール-成田線のうち、現在ボーイング787-10型機で運航しているシンガポール発SQ638便を現地時間4月27日~成田発SQ637便を翌28日からA380に変更決定
さらに7月~A380R スイートクラスが登場!
4月から成田線に復活するエアバスA380ですが、7月からは機内を刷新した新仕様機「A380R」を投入するとの事です。いやいやスゴい。
A380Rの最上級クラスで個室タイプの「スイート」には、隣り合わせで使えるフルフラットベッドを導入するって事ですのでセレブは釘づけですね。
新デザインはスイートクラスを従来の半分の6席に減らし、1席あたり約7割広い約4.6平方メートル。隣の席との間仕切りを下ろし、ダブルベッドのように使えるデザインをこれまでのスイートクラスに加え、一部のビジネスクラスにも取り入れる。
シンガポール航空は8億5千万ドル(約958億円)を投じ、今回到着した機体も含めて2018年末までに計5機を新たに導入するほか、既に所有している旧デザインの14機を20年までに改装、計19機を運航するらしい。スゴイですね。
シンガポール航空...庶民のハナサクは 今年 何度搭乗できるのでしょう😆
2019年 成田空港へのA380乗り入れ航空会社
シンガポール航空の増便に加え、ANAの「FLYING HONU」もあり、2019年の夏運行ダイヤはタイミング次第で…
6社のA380が成田で見れる事になりそうです。
A380-800 まとめ
A380の前途ですが エミレーツをはじめアラブ諸国からの追加発注がなければ、先行きはかなり険しいものであるのは間違いないのでしょうが 貨物・旅客を含め 活路を見出して進化して欲しいですね。
ANAの「特典航空券 大放出キャンペーン」「空席がある限り・・・」に偽りはありませんでした。これには正直驚きました。特にファーストクラス。もう瞬殺で無くなるだろうし解放枠も1~2席そこらと思っていましたから。
また この度新たにはじまりましたプレエコの特典予約について。
「プレミアムエコノミー特典予約大解放」といいましても プレエコのホノルル必要マイル数・・・地味に高いんです。
仮に5月初便のローシーズンでも53,000マイルです。エコノミークラス:35,000マイル、 ビジネスクラス:60,000マイルなんですから、プレエコが45,000~47,000マイルであれば 販売価格比率的にも納得できるのですが、発想が貧乏性のハナサク個人的には「53,000マイルも必要であれば 断然ビジネスクラスで60,000マイルでは??」と感じたりもしました。
この辺りは人それぞれ環境や人数,お手持ちのマイル数等でも変わってきますので あくまで個人的な印象です。空席がある限り特典予約で全開放なんて事 ビジネスクラスじゃありえませんからね。※決してプレエコ予約の中傷批判等では御座いません。
ともあれ「FLYING HONU」の運航開始により ハワイが より身近になり気軽になれば我々利用者としても 大変ありがたい事だと思います。
「FLYING HONU」運航開始時点では1/3の初代1機目のみの運行になりますので 最初の運行では思わぬアクシデント等で遅延や機材変更なんて事もあるかとは思いますが 国内の航空会社では初運行故 パイロットをはじめクルーの皆さまも”安全第一”でホノルルの空へ飛ばしていただきたいと思います。
たまに真面目に考えると今回も長文になっちゃいました。
ホノルル便を楽しみにしたいと思います。
では、また。。