スチームポートとは?
マレーシアの名物料理の中に「スチームポート」という鍋料理があります。日本では寒い冬がやってくると「鍋が恋しい季節がやってきた…」なんて事になるのですが、ここ南国マレーシアでは、クソ暑い中、汗をかきながら食卓を大勢で囲んでワイワイ鍋やお酒を楽しむんだそうです。
真ん中に煙突がある”しゃぶしゃぶ”用のような金属製の鍋に、意外な程のあっさり出汁に野菜、きのこ、鶏肉、海鮮、魚のすり身、肉団子、湯葉、餃子、豆腐など、色々な具が入っていて、まるで海賊鍋の様です。それをポン酢では無くチリソースや中華醤油で、味を好みに整え各々食べるんですね。
そんなスチームポートでも有名店が数店ある様ですが、中でもブキッ・ビンタンの高層ビルに囲まれた場所で、1956年から営業している老舗の有名店が客家飯店(ハッカ) Hakka Restaurant。色んな料理があるのですが、そんな中でも「スチームボート」と呼ばれる鍋料理がこの店の看板メニュー。ガイドブックにも必ず載ってますよね。半屋外の様な店内に500席を超える大型店舗ですので団体でも問題ない様です。
そして、よく聞く噂が「とくかく安い・量が多い・満腹になる」「バドガールの様なおねーちゃんが店内にいっぱい」「ビールは異常に高い」
物価に対しビールやお酒が高いのは、マレーシア全体に言える事なのでさほど驚きませんが。ともあれ、噂を含め、まずはこの目で検証しなくてはw
場所はどこ?
初突撃時はお昼前。Hakkaを目指した訳ではなく、パビリオン周辺をウロウロ徘徊していましたので、小腹も空いたし昼食でも・・・って、思いたち、ついでに寄ってみました。昼間の店舗はとても超人気店には見えない外観。ウォークウェイブリッジからも真下に見えます。
歩行者に優しくない道路を何とか横断し、向かってみます。
ランチ時とディナー時の2部制での営業の様ですが、ランチ営業開始が12時~。この時の時刻が11時30位だったかな。興味はあるが、ココで30分待つなんて選択肢は毛頭無く、あえなく撃沈。次回仕切り直し突撃を誓います。
Hakka駐車場に真っ赤なW126のメルセデスが超懐かしく、逆に新鮮に映る。この時間に敷地内にあるってことは、お店の関係者の車なのかな?
撃沈後に腹ごしらえで向かったのは・・・
なぜか、台湾の小龍包・超人気店”鼎泰豐”(パビリオン店)
安定の美味さです。小腹を満たすには最高の選択かも。
でも、さすが台湾小籠包の大御所有名店。クアラルンプールでも大人気で、食後にお店を出る頃(正午過ぎ)には店の前には結構な行列ができていました。
日も暮れ、仕切り直しでディナー時に再突撃
日中散々遊んで廻り、かなり疲れているので日も暮れ食べる気満々!でも旅行等で滞在中って、いろんなものや珍しいものを、ちょこちょこつまみ食いしていますので、いう程、お腹空いてなかったりもしますが、ここは制覇する!ってミッションの為にも食べまくる覚悟でまいります。
昼とは全く異なる雰囲気と、来客数の多さに、ちょいビビる。駐車場に入る為の順番待ち車もいます。
ディナータイム(夜)に外から店内を覗くと、なんとも怪しげで、禁断の大人の社交場を彷彿とさせるような、何ともノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。~嫌いじゃないですw
では、入口へ廻り、突撃です。
中国文化・マレー文化が入り混じった様な不思議な空間の店内
この、とってつけた様な照明をはじめ、安っぽさ(失礼)が、東南アジア圏の怪しさ全開。いいですね~
外から見た通り、店内は大勢の客でごった返しています。大盛況ですね。ひとまず案内されたテーブルに着席するも、もの珍しさゆえデジカメが離せない。
夜だからなのか、予想に反して、暑苦しさが皆無。天井のハリ至る所に扇風機が回っているのもあるが、何より夜風がかなり心地良い。
オリエンタルな雰囲気に屋上ビアガーデンの様な、ほぼ屋外の客席。雨が降ると(ビニールハウスの様な)屋根が閉まる様ですので心配はご無用だそう。
出た!噂の、悩ましいバドガール風のおねーちゃん。
しかし、ビール・酒類を頼まないテーブルには一切近寄ってきませんw 笑顔でサービスしながら相手をしっかり見極めています。プロです。
本当にうようよいます。あいにく私の隣には妻もいますw
ビールが無くなると「す~っ」と寄ってきて、すかさずオカワリを注がれます。さらに「もっと飲んで♡」と急かされていますw スケベなオジちゃん観光客は良いカモ状態です。でもwin‐winのバランスで保たれています。
メニューを見ると・・・
スチームポートはほんの一部で、その他の一品料理メニューが数ページあります。チリクラブまで。安いし美味しそうだし、しかし今回のミッションは”スチームポート”です。しかし滞在中食べてばっかりで胃袋にあまり余裕もないので泣く泣く今回は我慢でmissionのメインであるスチームポートに集中します。
メニューには日本語でも明記されていますので、注文時も全く心配いりません。
どれも、価格はかなり安かった。・・・しかしビールやお酒は異常に高い。正確にはマレーシアの物価に対してビールが高い!
一品料理の値段とのバランスが、かなりおかしいです。
噂では、かなり量が多く、人数分頼むと後悔する…って事ですが、サイドメニューを我慢するので、今回はあえて2人で2人前を注文。さて後悔する事になるのか…
1人前RM26ですから700円位ですよね。安い。
注文後、待つことしばし。
来た来た~!スチームポート!
ドーン!と、ワゴンで運ばれてきます。
2人分ですよ?画像では伝わりにくいでしょうが…噂通り、かなりのボリューム。
基本的には、すべて店員が準備してくれますので眺めているだけで大丈夫。
煮えるまで、しばし辛抱。
一度に全てを鍋に放込むのではなく、具材によって3度に分けていました。
いただきます。
第一弾が煮えました。店員の「OK」の合図でいただきます。
異国で未体験の味を覚悟していましたが、これが拍子抜けする位のやさしいダシの薄味スープで、具財本来の味が楽しめます。日本人にも全く抵抗ないんじゃないでしょうか?
味が物足りなければチリソースにつけたり、中華醤油をたらして食べるのですが、日本の醤油と違って紹興酒を思わせる独特の香りが何とも印象的。
妻はチリソースは辛いらしく後半は避けていました。
続きまして第二弾も煮え上がり、ガンガン食べますよ~。
海鮮にチリソース、私的にはかなりお気に入り。
〆のラスト煮は、麺を投入後、溶き卵を麺の上に満遍なく垂らし、具材のダシがしっかり出た、かき玉スープ麺に変身します。
キッチリ完食しました。ごちそうさまです。
でも、かなり満腹です。会計は2人分にビール1+飲み物2で、2,000円位でした。ビールがなけりゃ1500円で収まりますよね?安っ!
まとめ
真面目にグルメとしてのレビューをするならば…可もなく不可もなく。が正直な所でしょうかね。この手の鍋料理は、日本の方が断然美味いに決まっています。
でも海鮮類や足の速い生鮮食品に火を通し安全に美味しく食べる工夫から生まれた、南国文化が生んだ料理がスチームポートなのかな?と思えば、かなり納得できますし、出汁が優しい(薄味)ので、外国人観光客をはじめ、年齢問わず、万人受けされやすい味も人気の要因かな?とも感じました。
しかし「名店」や「有名店」って聞くと、行かずにいれない我々夫婦はミーハーなんでしょうか。まぁ、KLに来たら一度は食べるべき料理だと思います。
他の料理も安く美味しそうですので追加注文したくなるでしょう。スチームポートを頼む場合は訪れる数人-1人分少なめ(3人なら2人分注文・4人なら3人分注文)の量で丁度良い具合ではないかと思います。
また悩ましいビールガールに沢山かまって欲しい場合は、ビールやお酒を豪快な飲みっぷりで、何度も何度もオカワリすると良いでしょうw
ツワモノは是非、挑戦してみてください。
店舗詳細、営業時間は以下の通りです。
ランチタイム:12時00分~15時00分
ディナータイム:18時00分~23時30分
https://www.facebook.com/hakka.restaurant/
久々のグルメシリーズでしたが、まだまだネタが溜まっていますので乞うご期待。
では、また。